花粉症について
昨年まで症状が無かった方でも突然発症する方もみられます。くしゃみや水様性鼻水、鼻閉(鼻づまり)、眼のかゆみなどが続いた場合には医療機関への受診をお勧めします。また、一旦、強い症状が出て鼻の過敏性が強くなってしまうとなかなかやっかいです。
例年症状の強い方は、少しでも症状を感じたら早期の治療の開始をお勧めします。そのことがシーズン中の症状の緩和に重要です。
診断
内科では、鼻粘膜を直接見ることはできませんが、花粉飛散時の症状の有無と血液中にある花粉に対する抗体の存在で花粉症の診断できます。
アレルゲンカレンダー
2月から4月はスギ花粉、4月から5月はヒノキ花粉、6月から8月はカモガヤなどのイネ科花粉、8月から10月はブタクサやヨモギなどの雑草類の花粉が主として飛散します。他にダニやハウスダスト、イヌやネコなどが原因の場合、一年中起きることになります。検査により症状を悪化させている原因を特定し、対策をすることで、投薬と合わせてより高い治療効果が期待できます。当日20分で結果が分かる検査キットもあります。一度は検査を受けられることをお勧めします。
治療
花粉症の症状が起こりはじめたごく初期では、鼻粘膜にまだ炎症が進んでおらず、この時期に治療を開始すると粘膜の炎症の進行を止め、早く正常化させることができるため、花粉症の重症化を防ぐことができます。
- 内服薬
- 点鼻薬
- 点眼薬
症状に応じて、当院でも処方できます。お気軽にご相談ください。
プレバイオティクスと
プロバイオティクス
腸内細菌と免疫の関係が明らかとなってきており、まだエビデンスはしっかりしていませんが効果が期待できるものとして挙げられると考えます。
乳酸菌そのものを摂取する(K社のサプリメントや各社ヨーグルト)方法もありますが、強力な胃酸で殺菌されてしまうことや人それぞれで定着している固有の乳酸菌があることが知られており、摂取した乳酸菌がそのまま定着するのは難しいのかもしれません。
当院では、自分固有の乳酸菌を育てる「乳酸菌生成エキス」を扱っています。医療機関のみで扱われているものであり、アレルギー以外のさまざまな分野でもその効果が検証されています。
乳酸菌生成エキス「アルベックス」より引用
セルフケアについて
日常生活で原因花粉を完全に避けたり、除去することは不可能ですが、少しでも体に花粉が入らないようにする工夫が、症状の悪化やQOLの低下を防ぐために必要です。
一実験的なマスク、メガネの効果
内容は現行サイト参照鼻の中の花粉数 | 網膜の上の花粉数 | |
---|---|---|
マスクなし めがねなし |
1,848個 | 791個 |
通常のマスク 通常のメガネ装着者 |
537個 | 460個 |
花粉症用マスク 花粉症用メガネ装着者 |
304個 | 280個 |
日本医科大学耳鼻咽喉科 大窪公裕作成による
- マスク…花粉の飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。湿ったガーゼを挟み込んで使用すると効果的です。
- めがね…花粉の飛散の多いときには、目に入る花粉を2分の1から3分の1まで減らすことができます
- ウールの服は避ける…羊毛類の衣類は花粉が付着しやすい
- 手洗い、うがい、洗顔、上着を玄関ではたく など
- 花粉の大量飛散日には窓を開けず、洗濯物を外で干さない
- 洗濯物はよくはたく
- 粘膜を傷つけるタバコは避ける
- 規則正しい生活を送り、ストレスを避ける
花粉症によるOAS
【口腔アレルギー症候群】
果物を食べると口やのどがイガイガしませんか?特定の果物・野菜を食べた数分後に、唇・口・喉などにイガイガ感やかゆみ、腫れなどのアレルギー症状を起こすことの総称です。春ではシラカバ花粉症の方に頻度が多く、最も多い果物はリンゴとサクランボです。